【全豪オープン2019】マレー、フルセットの激闘の末に敗れる まだまだいけるよ 現役続行なるか?! vsバウティスタアグート 4-6,4-6,7-6,7-6,2-6 感想
皆さんどうも、こんにちは、テニス大好き、【ラム】です。
マレー対バウティスタアグートの試合模様を振り返っていきたいと思います。
マレーに対する思いが溢れ、少し記事が長めです。
ですのでまず最初に、試合のダイジェスト動画を貼っておきます。
Andy Murray vs Roberto Bautista Agut
試合後のインタビューです。フェデラーやジョコビッチをはじめとしたトップ選手からマレーへの感謝の気持ちが述べられたVTRも放送されました。
Last game of Andy Murray's Career? | Last Game and Interview | 2019 Australian Open vs Bautista Agut
上記2つのさらにハイライト的なものです。
時間がない方はこちらをご覧ください。
For the last time: Andy Murray | Australian Open 2019
Djokovic and Federer pay tribute to 'friend, colleague, rival' Andy Murray
マレーを好きな人ってどれくらいいるでしょうか?
この記事を読みに来てくれたあなたはきっとマレーのことが大好きなんでしょう。
私もその気持ち、とてもよく分かります。
フェデラーが一番好きですが、マレーのあの最後まで絶対に諦めないプレー、追い詰められているのにも関わらずその状況を一発でひっくり返すカウンター、タフネス、熱い気持ちが本当に大好きだし、尊敬しています。
公立高校のテニス部でテニスを始めた私は、よく顧問の先生に、「私立高校のテニス歴が長くてバコバコ打ってくる上手い人たち相手に勝つためには、最後まで徹底的にボールを追い続けて一球でも多く返す[泥臭いテニス]をしなければならない」とよく言われたものでしたが、マレーはその[泥臭いテニス]を極めたような存在(ちなみにフェデラーは私立高校のバコバコテニスを極めた存在笑)だなと思い、何か通じるものを勝手に感じながらいつも試合を観ていたものです。
さて、全豪オープン2019の第一回戦、
マレー対バウティスタアグートの結果ですが、4-6,4-6,7-6(7-5),7-6(7-4),2-6のフルセットの激闘の末、マレーの辛い敗戦となりました。
試合は序盤から異様な雰囲気で進行していきました。
マレーがポイントした時のマレーへの歓声が「あれ、これマッチポイントだっけ?」となるほど物凄いのです。
しかも、特にブレークポイントを粘って防いだとか、ロングラリーを制したとかではありません。
何気ない1ポイントでも「ワー!」、エースでも取ろうものなら「ワァーキャー!」で、それはそれは凄かったです。
アグーは大層やり辛かったでしょうが、そんな会場の雰囲気にも飲まれずに、しっかりと自分のプレーに集中できていたのはさすがでした。
マレーは、アグーの厳しい揺さぶりに対しても、いつもと同じように諦めることなく必死でボールに食らいつき、何度もコートを映し出す画面から飛び出すほど、懸命に走っていました。
しかし、やはり普段のコートカバーリング力と比べると少し落ちているように感じられてしまい、
痛みに耐えながら走っているのだろうなと思いながら見ていると、老婆心が出てきて思わず泣きそうになりました。
と同時に、アグーの、マレーに対して一切手加減せずに横に揺さぶるまくり、ドロップも打ちまくり、の相手の弱点を突いて全力で倒そうとする姿勢にも好感が持てました。
思いっきりやらないと逆に失礼というものですよね。
いつもなら、横や前にふられた厳しいボールを「アッアッアッ」と言いながら追いついてカウンターをボコーと決めるのが風物詩だったマレーでしたが、今回は「アッアッアッ」と言いながら懸命に走るものの、あと一歩が届かず、ラケットが悲しそうに地面と擦れるカチャッという音だけが虚しく響くのがとても悲しかったです。
さて、技術的な面ですが、
マレーはいつもよりしっかりと腰を落として重心が下がるようになっており、これからさらに勝っていくために厳しいトレーニングをしてきていたんだなということがよく分かりました。
サーブも良かったですし、バックのダウンザラインも冴えていました。
しかし、ドロップやスライスがどうしても甘くなってしまい、そこをアグーに突かれたという展開が多かったと思います。
マレーが4セット目を取った時には、まるで勝ったかのような雄叫びをあげていて、勝ちに飢えた猛獣のようでした。
一球一球を大切に正に一所懸命に追っていて、勝ちたい気持ち、これが最後の試合になるかもしれないから全てを出し尽して後悔のないようにしようという気持ちがとても伝わりました。
しかし、アグーも強かったですね。
さすがは前哨戦でジョコビッチを倒し、その大会で優勝している実力者といったところでありました。
スピードはそこまで早くないですがコースをついたキレキレのサーブもマレーによく効いていたと思います。
そして何より、試合が終わった後に、マレーのコート側まで行って握手をし、審判との握手も、勝者なのにも関わらず自分が先にする(普通は敗者→勝者の順に握手)。
そのあとはすぐにベンチに戻り、全豪オープン最後の試合を終えたマレーがコートの真ん中で、まるで勝者かのように暖かい拍手に包まれている姿を見守る。
アグーだってグランドスラムの初戦を、戦いにくい雰囲気の中でギリギリ勝ち切れて、喜びを爆発させたいはずなのに、あくまでマレーを立てて自分は脇役に徹しようとするその姿にとても好感を持ちました。
前哨戦を優勝して好調のアグーに対して絶不調ながらもフルセットにしてしまうマレー。
やはりBiG4とは傑物ですね。
ほとんど全員の観客から勝利を期待されている注目選手が、2セット連取され、崖っぷちの状態に陥るも、タイブレークを捥ぎ取り2セットひっくり返してのフルセット。
圧倒的主人公感、漫画ならこのまま勝つのがデフォ。
ですが現実はそんなに甘くなく、結局負けてしまう。
似たような展開の試合、昔ありませんでしたか?
ヒントはフェデラーです。
フェデラーファンの方ならピンときた方も多いはず。
そう、あの試合です。
私は今回の試合を観てすぐ、2008年ウィンブルドン決勝のフェデラー対ナダル戦を思い出しました。
あの試合も、フェデラーが2セット連取された後に第3,4セットをタイブレークで引っくり返し、このまま第5セット取って勝ち切る完璧なドラマが描ける流れだったにも関わらず、無情にもその展開は打ち砕かれます。
今回のマレーも、あの時のフェデラーと同じ、完璧な漫画の主人公的な展開でした。
しかも、事前に引退するということも表明しており、観客のボルテージもマックスです。
あの時のフェデラーも前人未到の6連覇が懸かっており、観客からの熱い応援がありました。
ここは勝ってほしいと、誰もが思っていたと思います。
しかし、そうはならなかった。
急に少しグレーゾーンなことを言いますが、これがテニスではなく、何かと八百長が話題となることのある格闘技系や、審査員による怪しい採点性が採用されている競技であれば、マレーが勝っていたはずだと私は思っています。
関係者の方々、勝手なことを言って申し訳ありません。
ですがそれでは、負かされた側の選手がたまったものではありません。
同じように、勝つために死に物狂いで練習を積み重ねてきているはずですから。
スポーツにそんな〝大人の都合〟が通用してはいけないのです。
私は、この、これだけやって、ここまで劇的な展開になっていながらも、結局は負けてしまうというところに、
いかにテニスという競技が真剣勝負をしている世界であり、いかにクリーンで正々堂々とした紳士のスポーツであるかということを証明しているようで、誇らしく思うのです。
もちろん、他の競技を軽視しているわけではなく、大変素晴らしいと思い尊敬もしているのですが、選手の個人の努力をそのまま相手に対して出す、努力が報われやすい、と言った点で、テニスは素晴らしいスポーツだなと再確認できたのでした。
試合は最後、あっけなく終わってしまいましたが、思ったよりもマレーはしっかりと動けており、これではウィンブルドンを期待してしまいます。
マレーがレーバーカップでプレーする姿も、見たかったですねー。
ダブルスだけでも出てくれないかな笑
ヨーロッパチームのベンチにBiG4全員が座っている神々しい姿と、その絶望感を一度でいいから拝みたかったですが残念でなりません。
とにかく、マレーをまたウィンブルドンで観れることを信じて、次の試合を楽しみにしたいと思います。
fin.