フェデラー研究所

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【全豪オープン2019】錦織圭、間一髪でカルロビッチとのデスマッチを制し3回戦へ!「負けるかと思った」  6-3,7-6,5-7,5-7,7-6 感想

 

皆さんどうも,こんにちは、テニス大好き、【ラム】です。

 

全豪オープン2回戦、錦織のタフさを久しぶりに見ましたよね!

昔の勝負強い錦織が帰ってきているように思います。(誰目線)

とっても嬉しいです!!

 

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一見勝ったのか負けたのか分からない錦織笑

 

勝利した瞬間、コートに崩れ落ちたのが印象的でした。

それだけギリギリの試合だったということだと思います。

かなりメンタルを削られたのでしょう。

 

試合後のインタビューでも、「負けたと思った」と語ったくらいですからね。

 

試合に勝った時、マイケルチャンコーチも観客席でかなり興奮していました。

 

 

 

 

ということで、1月17日に行われた、全豪オープン男子シングルス2回戦、
錦織圭vsイボ・カルロビッチ戦の試合模様や感想などについて書いていきたいと思います。

 

なんという激闘でしょう。

6-3,7-6(8-6),5-7,5-7,7-6(10-7)というスコアからも如何に激しい試合だったかがよく分かります。

 

 

「死力を出し尽くす」とは正にこの試合のことを指している言葉ではないでしょうか。

 

 

試合を通して、錦織への声援がカルロビッチに比べて圧倒的に多かったのが同じ日本人として嬉しかったです。

 

今大会から導入された、全豪オープン限定のファイナルセットが6-6になった際に採用される10ポイント先取スーパータイブレーク制度も錦織に味方してくれたとお思います。

 

 

 

本試合、これだけもつれ込んだのは、カルロビッチの調子が異常なほどに良かったからです。

しかも尻上がりに調子が上がっていっていました。

 

それは、セット毎のファーストサーブの率を見ても分かる通りです。

1セット72%
2セット72%
3セット81%
4セット86%
5セット87%

 

 

ファーストサーブの率が90%に近いと、どんな選手であってもかなり有利に試合を進めることができます。

 

ただでさえそうなのに、セカンドサーブでも200km越えのサーブを放ってくるカルロビッチの状態がこれほどに良いと、BiG4でも食われてしまうことも珍しくありません。

 

実際、ジョコビッチもこの状態のカルロビッチと戦って負けたことがあるほどです。

 

にも関わらず、懸命に耐えて耐えて、ここを勝ち切った錦織は本当に凄いと思います。

 

 

まず、第1セットでカルロビッチのサーブをブレークできたこと自体がそもそもすごいことなんですよね。

 

カルロビッチのようなビッグサーバーを相手にした時、タイブレークに持ち込んでワンチャンスを生かして勝つのがセオリーだと言われています。

 

全盛期のフェデラーはビッグサーバーをよくお得意様扱いしていたのですが、ほとんどタイブレークに持ち込んで倒していました。

 

特にフェデラーは自身のサービスゲームに絶対の安定感と支配力があったので、まるでタイブレークに持ち込んで勝つのが予定調和かのように自信を持ってプレーすることができていました。

 

 

対するビッグサーバー側の基本戦略としては、自分は爆速サーブでラクラクキープを繰り返すことで、どんどん相手に「サービスゲームをキープし続けないと負ける」、というプレッシャーをかけていき、甘くなったところのワンブレークを狙うということになります。

 

本試合の第3,4セットはその作戦がビッタリハマった形です。

 

したがって、ビックサーバーとやり合う時には、自分のサービスゲームを絶対に死んでもキープし続けるという、試合中を通して自身のサーブに安定感が求められるということになります。

 

錦織は今年に入ってからサーブがかなり良くなっているため、試合を通して2ブレークに抑えることができました。

これが勝利の最大の要因です。

 

もしサーブが今まで通りだったら、この勝利はなかったかもしれません。

 

特に、錦織本人も「負けたと思った」と語る、ファイナルセット第9ゲーム

4-4,0-40の場面からの追い上げは見事でした。

 

目の前のワンポイントに集中して、諦めず丁寧に戦うことの大切さを改めて痛感しましたね。

 

 

 

今回の相手のクロアチアの巨人、カルロビッチですが、ビックサーバーの中でも特に異質の存在です。

 

と、いうのも、サーブに殆ど全てのステータスを全振りしていて、他があまり得意ではないというなんとも面白い特性をしているからです笑。

 

だから、サーブさえ返してしまえば、意外とラリー戦では楽にポイントを取れてしまいます。

 

そこは愛嬌というところでしょうか。

むしろこれで他の部分も強かったら、もう手のつけようがないので逆に良かったですが笑

 

さすがサーブ特化型のカルロビッチは、サーブに纏わる様々な記録を残しているので紹介したいと思います。

 

以下、ウィキペディアより引用。

現役男子プロの中でも群を抜くビッグサーバーとして知られるカロビッチだが、他にもサーブにまつわる様々な記録を残している。

 

 

 

またカルロビッチは、ビックサーバーがその単調なプレースタイルから敬遠される中でも、一部ファンから〝大先生〟と呼ばれて親しまれていますが、それはこのようにあまりにサーブに全振りしたプレースタイルをしており、逆に面白いと言ったところが理由にあると思います笑

 

それは、以下の記録にも現れています。

カルロビッチのキャリア成績
サービスゲームキープ率92.1% (歴代一位)
リターンゲームブレイク率8.7% (歴代ワースト二位)

 

これはつまり、自分のサーブは落とさない代わり、相手のサーブゲームも破ることができないということを意味しています笑

 

上の方で語ったビックサーバーの基本戦略、〝相手のサービスゲームにプレッシャーをかけてワンブレイクを狙いに行く〟というのが大先生は苦手というまさかの結果です笑

 

なんだか愛おしく感じてしまうのは私だけでしょうか。

 

次のコピペも、大先生を語る上で欠かせない有名なものですが、何度見ても笑えるので、引用しておきます。

 

ある人が大先生の試合を実際に間近で観戦した時の感想です。

大先生の試合数とサービスエースの比率が㌧でもない。 
カルロビッチの試合を最前列で見たことあるけど凄まじいの一言。ビッグサーバーは結構嫌われる傾向にあるけど、 
大先生の試合はすべてを「超越」して芸術的ですらある。 

・まずラケットがしゃもじにしか見えない。 
・普通の選手がサーブを打つと「バコーン」なのだが大先生は「ヴァグォォオオオン」という音がする。 
・ボールの軌道を全く目で追えず、気がついたらバックネットの壁にボールが転がっている。 
・レシーバーが何とか返したと思ったら何と約3歩でネットにつき、次の瞬間にはボレーを決めている。 

そしてオレが見たその試合は30本以上ノータッチエースを決めた挙げ句負けた。

 

 

 

カルロビッチは試合後、「あと8,9年はやれると確信した」と語っています、。

サーブを極めてボレーで決めれば、スタミナ消費も抑えれて、あまり年齢は関係なくなるのでしょう。

 

フェデラーが選手生命を伸ばすために、〝ショートポイントを増やす〟というプレースタイルの最終形態はもしかするとカルロビッチなのかもしれません。

 

デスマッチを乗り切った錦織ですが、フルセットを2試合連続で戦い、少し体力面が心配です。

 

しかし、私自身はこの状況、むしろかなりチャンスだと思っています。

 

というのも、錦織が勝ち進むときは、途中でこのようなデスマッチをしていることが多いからです。

 

2014年、決勝まで進んだ全米オープンでも、ラオニッチ、ワウリンカと、4時間ずつのフルセットを戦い抜いた後、ジョコビッチを倒しました。

 

デスマッチをすることで、メンタル的にギアが入るのかもしれません。

 

それに、今回の場合、2戦連続のフルセットはフルセットですが、1回戦では、第3,4セットは相手の痙攣によりほとんど体力を使っていませんし、2回戦も対ビックサーバーでラリーが極端に少なかったため、普通の試合に比べて体力は温存できているはずです、

 

メンタルはかなりきていると思いますが、、、

 

なので、体力は温存しつつも、デスマッチを経てメンタル的にエンジンはかけられたという、良いとこ取りした、とても有利な状況にあると感じています。

 

しかも、あと2勝すれば、ジョコビッチが待っている。

これは、2014年全米オープンの再現になるかもしれません。

 

 

 

3セットマッチなら、ストレート勝ちしていたのに、フルセットの激闘になる。

これが5セットマッチのグランドスラムの最大の醍醐味ですね。

 

グランドスラム3セットマッチ化の案も一部では出たりしているというのを耳にしたことがありますが、私は絶対に5セットマッチのままの存続を希望します。

 

そのほうが試合中のドラマが多いですからね。

 

 

 

次の3回戦、今の錦織なら恐らく余裕で突破してくれるでしょう。

 

 

楽しみですね!!

 

 


Ivo Karlovic v Kei Nishikori match highlights (2R) | Australian Open 2019


Kei Nishikori on-court interview (2R) | Australian Open 2019

 

 

 

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fin.